保育雑感

№163.平成28年10月号

 No.163平成28年10月号  「桃の木の教え」                   
 今年の夏は、大型の台風が軒並み日本列島にやってきて、大雨と大風による被害が続出しています。8月に関東に上陸した台風9の暴風で保育園の桃の木が危うく根こそぎ倒れてしまうところでした。根が半分持ち上がって露出し、5、60度傾き、木の天辺が横を向いていました。傾いて初めて、幹の太さや高さに比べて、頭でっかちだったことが分かりました。「早く大きくなれ」とばかりに、枝も葉も伸び放題にしていたのが、災いしました。その上、地面が踏み固められて、根が息を出来ず、地中に根が伸びて行けない環境だったのも、強風にちこ
たえられなかった原因の一つでした。
  春には、明るいピンク色の花が咲き誇り、夏にはこんもり繁って暑い日差しを遮る木陰を作り、秋には、おままごとに使う落ち葉をいっぱい落として、四季を通じて、たった一本で彩の国保育園に彩りを与えてくれる、シンボルとも言える桃の木です。
 手入れを怠ったことを反省しながら、何とか枯れないで欲しいと、毎日様子を見ながら祈っていました。先日、きみどり色の新しい葉が出てきているのを見つけて、ホッと一安心。瀕死の重症を負った木を心配する気持ちは、幼子が病気になった時、早く治って元気になって欲しいと心配する親の気持ちに通ずるものがあり、木に宿った生命も、人と同じ様に愛おしく感じられました。目には見えない根っこを育てることが木にとって大切ならば、人に於いても、また然り。枝や葉を剪定して、根や幹にあった大きさに育てることが木にとって大切ならば、人に於いても、また然り。「もっと伸びろ、早く大きくなれ!」と成長を()いてはいけないと、桃の木が教えてくれました。

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