保育雑感

No.226令和4年1月号「一年の計は元旦にあり。「書き初め」で新たなスタートを!」

 漢検2021「今年の漢字」に団体応募して頂きありがとうございました。
「金」が一位となりましたが、同じ字を書いた人は残念ながら保育園にはいませんでした。しかし、性別・年齢・立場の違いにより、様々な考えや思いが世相の捉え方にも反映されており、一人ひとりの令和3年がどんな一年だったかを垣間見ることができました。兎にも角にもコロナ禍を何とか乗り越えた幸せを噛みしめ、新年を迎えたいと思います。
 京都・清水寺での一文字書道パフォーマンスをしているお坊さんは、清水寺貫主の森清範さんです。1995年の開始から今年まで、26回全て書いています。書く直前に封を開けて結果を知るため、練習無しのぶっつけ本番とのことです。さすが!揮毫者(きごうしゃ)!京都祇園にある漢字ミュージアムで「今年の漢字」展が開催中です。(2/13まで)過去全ての大書現物が展示されており迫力満点だそうです。
 毛筆にあまり触れる機会がない子供たちですので、この機会に筆や墨を使った書道を見てもらおうと、担任がクラスごとに子供たちの目の前で「金」の字を書きました。また、「ストリート・ピアノ」をまねて「ストリート・書道」を企画しました。保護者の皆様には、ご参加ありがとうございました。卒園生や園児も書きました。玄関に展示してありますので、ご覧ください。
さて、新年といえば、「書き初め」。令和4年度の抱負を先生たちが漢字一文字で書く予定です。どうぞ、皆様方もお正月に「書き初め」に挑戦してみてください。
 

No.225令和3年12月号「禍を転じて福と為す」

今年も残すところあと1月と数日あまりになってしまいました。コロナで明け暮れた2年間でしたが、ここにきて感染者数も急激に減少して、このまま終息してくれることを願う年の瀬です。一年を締めくくるにあたって、この一年間を振り返ると、コロナ禍にありながらも、子ども達は元気に保育園生活を送ることが出来たことに胸をなで下ろすと共に、子供たちの環境への適応力の高さに気づきました。コロナ感染対策の手洗いの徹底、マスク着用、前を向いて静かに食事するなど、当初は出来るかどうか心配しましたが、今ではすっかり慣れて新生活様式が定着しています。また、先生達も子ども達に負けずに、動画・リモート・ICTの活用や導入に力を注ぎ、試行錯誤しながら新しい保育様式を模索しています。
コロナにより、私たちは今まで経験したことのないような我慢や苦悩を強いられてきましたが、困難や試練に前向きに立ち向かうことで、新しい方法や新しい考えが生まれ、道が開けるという貴重な体験をしました。コロナ以外にも、異常気象をはじめ世界中の人々に等しく圧し掛かる大問題が山積みです。コロナで学んだことを生かしてひとつひとつ解決の道を見つけていけたらいいですね。世界中の人が力を合わせればきっと未来は拓けるでしょう。
最後に、老婆心ながら、コロナはまだ終わっていません。気を緩めず「第6波」に備えましょう!

No.224令和3年11月号「大人も子供も大好きな運動会でコロナを吹き飛ばせ!」

 2年にも及ぶコロナ禍の中、保育行事は大きな影響を受け、ほとんど中止を余儀無くされましたが、幸いにも運動会は、昨年も今年も何とか中止を免れ、保護者の皆様に参加して頂き、リアルタイムで見ていただくことが出来ました。制約は多々ありましたが、子供たちにとって、お父さんやお母さんの目の前で演技をすることは、何より嬉しいことに違いありません。例え保護者から離れる事が嫌で、ぐずったり泣いたり演技をしなかったとしても運動会に親子で参加した経験は、その翌日から子供に良い変化が現れます。ただし、父母をはじめ子どもの周囲の大人たちが、他の子どもと比較することなくその子の気持ちに寄り添い受容することが出来ればという条件付きですが。(なんと運動会の2日後、私は、あるお子様の大きな変化を目の当たりにしたのです!)
 小学校の校庭をお借りしての運動会開催は初めての上、緊急事態宣言中には、使用も制限が多く、使用許可は昼休み1時間のみ。限られた時間の中で練習を重ね本番を迎えましたが、先生方の熱意と子ども達の意欲の賜物でしょうか練習の成果が十二分に発揮された感動的な運動会でした。割愛したものもたくさんありましたが、同年齢保育と長年取り組んでいる異年齢保育のそれぞれの良いところを余すところなく見ていただけたのではないでしょうか。
 保護者の皆様には、声援を控え暖かく見守りながらも、熱いエールの熱気で運動会を盛り上げて下さいました。心よりお礼申し上げます。
 

No.223令和3年10月号「ことばはいらない」

 月間「保育通信」の巻頭に『ことばの散歩道』というコーナーがあり、毎月楽しみに読ませてもらっています。保育園においては、ことばの発達は、保育指針の中でも重要な領域の一つですが、泣くことしかできない乳飲み子が、周囲の人たちに育ててもらう中で、ことばを話せるようになるまでには、長い年月が必要です。動物の中でことばを話すのは人間だけですから、親にとって、自分の子どもがことばを話せるようになることは、特別重大な関心ごとです。しかし、ことばの発達は、個人差が大きく、早い子もいれば、遅い子もいますので、他のお子さんと比較したり、発語が遅いからと言って焦ったりしない方が良いと言われ、発達支援が難しい領域でもあります。
 このようにして獲得したことばを用いて、人は相互理解を図りますが、話しても理解し合えるとは限らないという経験が大人になると結構あるのではないでしょうか。今月号の『ことばの散歩道』は、ことばを使うコミュニケーションで悩んだことがある人にとって、ことばの呪縛から解放されるちょっといいお話です。
『ことばはいらないーMaru in Michigan』(ジョンソン祥子著)という写真集を紹介しながら、話す「ことば」話さない「ことば」のどちらも大切にしたいという内容です。この写真集は、作者のお子さん一茶君と、柴犬マル君が兄弟のように育った成長の記録です。ふたりが教えてくれたのは、「ことばがなくても伝わる気持ちがある、ということ。そして、自分に正直になり、伝えたい相手に心を開くこと。」と作者はコメントしています。
大人だからこそ、話さなくても気持ちが通じ合える「ことば」を、もっともっと大切にしていきたいと思いました。写真集を彩の国図書館で貸し出していますので、どうぞご覧ください。弟を見守るマル君の慈愛に満ちた眼差しが人間以上です。

 

No.222令和3年9月号「ビートルズとオリンピックとコロナ、そして76年目の戦後」

 ビートルズとオリンピックの関係は深い。開会式や閉会式にビートルズの曲が演奏されることが多く、今回の開会式にも「イマジン」が高らかに歌われた。今から50年以上前東京でオリンピックが開催された1964年はビートルズ来日の2年前だが、当時の若い海外の選手たちの間ではビートルズはすでに絶大な人気があったそうだ。戦後の日本が先進国の仲間入りをするという歴史的な意味があった当時のオリンピックは、神聖で崇高な平和の祭典だった。今回平和を象徴する曲「イマジン」が歌われたのは、新型コロナウイルスで顕在化した様々な矛盾に、世界の人々が感じている恐怖や不安をビートルズの力で、吹き飛ばしたいという願いが込められているように感じられた。コロナ感染予防のソーシャルディスタンスを「2m≒1Beatles」(「アビイ・ロード」の横断歩を渡る4人の間隔が2m)と表したり、「抱きしめたい」は「I Gotta Wash My Hand‘s」という手洗いの替え歌になっていたり、平和を望む人々がビートルズに救って欲しいと手を差し伸ばしているように思える。オリンピック選手村で「アビイ・ロード」をまねた写真も投稿されています。
「2020オリンピック」開催国日本は、戦後76年目の夏を迎えています。HPの「戦争の話を聞く会」の動画をもう一度見て頂き、日本人もビートルズも全世界の人々も「戦争を望まず平和を愛している」ことを、この機会にもう一度心に刻みましょう!
        
     アビイ・ロードのビートルズ  選手村のオーストラリアチーム             

No.221令和3年8月号「ICTもホームページも」

  コドモンのICT(情報通信システム)を導入してから1が月ほどが経ちますが、保護者の皆様のご協力により、スムーズな活用がほぼ定着して参りました。保護者の皆様おひとり々と24時間繋がっている安心感と、非常時には一括で送信できる利便性は、携帯電話に比べると格段の差があります。5,60年前、現在は姿を消した黒電話さえも普及していなかった頃、急用は電報で知らせていた時代を知っている世代にとっては、その発達の速度は、通信システムの変遷を知っているだけに、実感があります。コロナで加速された変化は、保育内容や生活全般にわたり広範囲に及んでいます。先生たちが最も懸念しているのが、保護者の皆様との距離が遠くなってしまったことです。話す機会は少なく、保護者参加行事は中止または縮小という状況の中、子供の成長を見てもらう機会が失われています。
 今回の七夕会も直前で保護者参加が中止となってしまいました。発表を見てもらえることを励みに頑張ってきた子ども達のためにも、先生たちはHP上で動画を配信することにしました。すでに見て頂いたことと思いますが、どのクラスも伸び伸び元気に踊ったり歌ったりする姿が映っています。クラスとしての成長や担任や友達との絆の深まりも感じ取れます。
 どうぞご感想やご意見などお寄せ頂き、ICTもホームぺージもフルに活用していきましょう!

No.220令和3年7月号「路線バスに乗って、水戸の名所偕楽園へ」

 春の親子遠足が今年も中止になり、子も親も先生もがっかり。その代わりにと云う訳でもありませんが、そら・たいよう組の担任は体験満載のミニ遠足を企画。水戸といえば偕楽園。偕楽園といえば梅。6月は梅の収穫時期で、遠足に出かけた6月9日はちょうど梅落としの初日に当たり、子供達が東門を入ると、長い竿で木になっている梅の実を叩いて落としている光景が目に飛び込んできました。コロナ化で梅販売は2年続けて中止となっており、数日後にクッキングで梅干し作りをすることになっていたので、買えないのはとても残念なことでした。でも、落ちている梅の実を子ども達が拾ってみると、「かたいね」、「大きいね」、「青いね」、「いい匂い」と、自分の手で、目で、鼻で、体感できたことは貴重な体験でした。もちろん、持ち帰り禁止なので元の所に返してきました。  とても暑い日でしたが、園内をシールラリーで巡り歩き、そのあとしっぽ取り、ボールリレーで 思い切り駆け回っても、元気いっぱい疲れを知らない子ども達でした。(担任は、へとへとでしたが) 
  コロナ禍でも、こんなに子供たちに楽しみをいっぱい与えてくれる偕楽園は、水戸の宝といえるではないでしょうか。偕楽園を作った徳川斉昭もコロナウイルスで普通の生活を奪われた200年後の私たちに(「私もうれしい~」N先生の独り言)これほど喜びを与える庭園になるとは想像もしていなかったことでしょう。さて、斉昭公の恩恵は、子供たちの作る梅干しにまで及ぶでしょうか、どうぞお楽しみにお待ちください。出来上がりは8月です。

No.219令和3年6月号「脂肪を測ってからワクチン接種⁈」

 キャンセル分のコロナワクチン2名分が、急遽彩の国保育園に割り当てられました。「30分後に岩崎病院に来てください。」という訳で、保育士2名が急いで指定病院に向かいました。
キャンセルの廃棄やそのワクチンを誰に回すかが問題となっていますが、というのも解凍して希釈した後6時間以内に使う必要があるため、キャンセルが出た場合急いで代わりの人を探さなくてはなりません。キャンセル分を真っ先に市長が接種したというニュースが世間を騒がせている折、公正・平等を期すために、医療従事者の次に保育従事者にも優先的に接種してくれるという事になりました。そこで、彩の国保育園も摂取希望者の名簿を作成し、つい先日、水戸市保健所に提出したばかりでした。こんなに早く順番が回ってくるとは思っていなかったので、いち早く接種出来たことは幸運でした。ほとんどの方がこれから受けることでしょうから、ワクチン接種体験談を二人から聞きましたので、ちょっと紹介いたします。
岩崎病院は産婦人科なので、コロナワクチン接種が出来るとは意外でしたが、20分ほど待っていると診察室に呼ばれて、なぜか「脂肪を測ります。」と言われ、エコーで注射する腕の脂肪を測定されたそうです。(脂肪が厚いと注射針が届かないのかしら?)それから診察室の外で少し待たされてから、また診察室に呼ばれ接種したそうです。テレビで見るように深く刺しますが全く痛みは感じなかったそうです。その後15分程とどまり、何も異常が無かったので2回目の予約を取って帰ってきたとのこと。すべて無料だそうです。5/21からは65歳以上の電話予約が開始されます。速やかに国民全員が接種を完了し、コロナが終息することを願いましょう‼
 

No.218令和3年5月号「ウイルスの予防は、手洗いが基本」

現在日本は、コロナウイルス感染症が下火になるどころか、変異株の広がりで、第4波がやって来ています。このような状況の中、新年度早々コロナウイルス感染防止対策に専念していたところ、別のウイルスに不意を突かれてしまい、下痢や嘔吐の症状がある胃腸炎が広がってしまいました。この胃腸炎を引き起こしたウイルスの正体は、「ノロウイルス」といい、非常に感染力が強く、コロナ同様効く薬がなく、対処療法を行い、2,3日で症状は治まりますが、1が月ほど腸内でウイルスが生きている例もあるそうです。吐しゃ物から経口感染が起きるので、次亜塩素酸ナトリウムで消毒します。注意が必要なのは、コロナの消毒液の次亜塩素酸水やアルコールは効かないということです。消毒薬といっても、全てのウイルスに万能ではありません。どんなウイルスにも効果がある予防法が一つだけあります。何だと思いますか?……「手洗い」です!「きらきら星」の歌で手洗いを習慣化しようと取り組んでいますが、今後は特にトイレ後の手洗いも徹底してまいります。
新ホームページでは、動画を用いて保育園の様子を発信しています。新年度最初の動画は、「お話の会」の様子をにじ組からお届けしています。「マスクをとったら」の絵本に、にじ組の子供達は興味津々。お家でもお子様と一緒に楽しんで下さい。次回は、「手洗い」の様子を配信する予定です。お楽しみに!

 

No.217令和3年4月号「卒園生の夢をバルーンリリースにのせて」

「5,4,3,2,1」みんなで大きな声でカウントダウンすると、手から 離れた風船が歓声と共に、大空に舞い上がりました。様々なパステルカラー の風船が県庁方面の空に昇っていくと、卒園児たちは、園庭を走って追いか け、見えなくなるまで名残惜しそうに見送っていました。 令和2年度の卒園式を、このようなサプライズバルーンリリースで盛り上げ たのには訳があります。この1年間は、創立以来今まで一度も経験したことの ない特別な一年でした。新しい園舎が出来て認可保育園がスタートした喜び もつかの間、新型コロナウイルスの感染拡大により、その後、次々に大変な ことが起こりました。友達に会えない日々や、色々我慢をしなければならな い日々が続きました。保護者参加行事など例年通りに行えない行事も多々あ りました。そのような非常事態の中にあっても、年長さんは、前向きで明る く、力を合わせて頑張り、例年に引けを取らない成果を達成し、年長に相応 しい成長を遂げてくれました。「将来の夢」の動画を保護者の皆さんに披露 しましたが、「子供たちの夢が天まで届きますように!」という願いを込 め、頑張った年長さんへの特別なご褒美としてバルーンリリースを企画しま した。 令和3年度もまだまだコロナ禍は続きそうですが、子ども、保護者、保育士三 者のパワーを結集して、新しくて楽しい保育の実現を目指しましょう!
 

No.216令和3年3月号 「世界が一つになるまで」

「♪せかいがひとつになーるまでー、ずっと手をつないで―いよう―♪………」そら・たいよう組のお部屋から聞こえてくる綺麗なメロディーにふと足を止めて耳を澄ますと、この一年間コロナ禍で色々なことを我慢してきたやるせない気持ちを慰め元気づけてくれる歌詞に心が和むと同時に、もうすぐ卒園する年長児を思うと、目頭が熱くなりました。
 私たちの日常にいつもあって、私たちを楽しませ幸せにしてくれていたものが、コロナウイルス感染症の流行によってみんなお預けになってしまいました。会食や映画やコンサートや旅行さえも全てできない非常事態です。保育園での子供たちの生活も一変しました。感染予防のマスク、手洗い、消毒、ソーシャルディスタンスと対策を講じて、新しい生活様式作りとその強化に専念しています。また、保育についても飛沫が飛ぶ活動を控えたり、密を避けるために、保育形態や保護者参加行事の中止や変更など試行錯誤を重ねています。
 このようなことは今まで一度も経験したことがなく、前代未聞の事態に直面しているわけですが、現状をを嘆く前に、苦労や苦難に遭遇したことがほとんどなく、今までが幸せ過ぎたのではないかという考えも浮かんできます。過去の歴史をみれば、幾度となく大地震や津波に見舞われ、疫病やスペイン風邪が多くの人の命を奪い、戦争による殺し合いで人間としての尊厳を傷つけられるなど、いくつもの悲惨な時代がありました。その上、阪神淡路大震災や東日本大震災の辛い教訓が、今も忘れ去られることなく、私たち日本人の心の中に生き続けています。災害やパンデミックは私たちの身近に死があることを教えてくれています。人間の力ではいかんともしがたい自然界の法則の前に頭を垂れ謙虚になる時が来ているのではないでしょうか。世界中の人々に平等に降り注いだコロナウイルスの禍は、世界が一つになるための地球的規模の試練なのかもしれません。

No.215令和3年2月号 「牛乳パックで和紙の年賀状」

牛乳パックのリサイクル」については、昨年6月号の彩の国保育園だよりで取り上げましたが、その後、「洗って、開いて、乾かして」のリサイクルごみとして出す活動を一歩進めて、自分たちでリサイクルして、和紙作りに挑戦してみました。牛乳パックは紙だけでできているわけではなく、表面と内側には、プラスチックの薄いツルツルしたシートが貼ってあります。牛乳パックを水につけておくと、このシートが手で綺麗にはがせます。紙だけになったものを細かくちぎってプロセッサーでドロドロになるまでかくはんします。それを手作り紙漉き用簀桁(かみすきようすげた)に流し込んで、上からタオルを押し当て水分を抜き、更に乾かすと和紙ができます。牛乳パックが、なんと和紙の葉書に大変身。
12月といえば年賀状!「新年早々、子供たちからの手造り年賀状を手に取り、パパ、ママが大喜び」というサプライズ企画。年長、年中さんの保護者の皆様びっくりして頂けましたか?ポストに自分で投函するために郵便局まで足を運びました。「ドキドキしちゃう」と興奮気味だった子供たちでした。
この一連の体験学習は、「彩の国ポスト」の設置に引き継がれ、今、保育園ではお手紙を書いてポストに投函する子が急増中。パパやママもお手紙を書いて、彩の国のポストに入れて下さいね。
最後に、2021年の年賀状情報。年々発行枚数が減り続け今年は20億枚を切ったそうです。しかし、過去最高の売れ行きを記録したものが!!「鬼滅の刀」の受注絵柄年賀状はなんと200万枚突破したそうです。さすが!!鬼滅!!

No.214令和3年1月号 「「三密」の教え」

京都清水寺の森清範貫主が、「今年の漢字」として20万8025票の中から第一に選ばれた一文字を和紙に揮毫しました。その漢字は、「密」。令和2年に一番使われた言葉が「3密を避ける」でした。ご存じの通り「3密」とは、「密」閉、「密」集、「密」接の3つの「密」のことで、新型コロナウイルスに罹らないための標語として定着しました。本来、仏教用語にも「三密」という言葉があり、「身密」(正しい行い)、「口密」(正しい言葉)、「意密」(正しい心)を説く真言宗の教えを「三密」と言うそうです。八王子にある高野山は真言宗の薬王院があり、今でこそ観光の名所として、多くの人が訪れていますが、もとは、修行の山であったことを今に伝えるために、2014年に「三密の道」を整備したそうです。門をくぐると、54段の石段の奥に、仏舎利塔(お釈迦様の遺骨が納骨されている)があります。ご家族でこの道を歩きながら、コロナ禍の新様式に思いをはせてみてはいかがでしょうか。
さて、森貫主も「三密」の仏教用語に因んで、令和3年がよい年になるようにと、こんなコメントを付け加えました。「漢字を本尊に備え、世界的なコロナの被害でお亡くなりになった方のご冥福をお祈りし、来年はぜひいい年でありますようにと祈念しました。密という字には親しみという意味が含まれているので、物理的には離れても心はしっかりしたつながりをもっていきたいです」とお話になっていらっしゃいました。本来の「三密」の教えを今に生かすために「感染する恐れがある行為は行わない」(身密)「感染者や医療従事者への誹謗中傷は言わない」(口密)「周囲の人にいたわりの心を持つ」(意密)ことを心がけ、「三密」と「3密」でコロナに立ち向かって、2021年をみんなで明るい年にいたしましょう!

No.213令和2年12月号 「ウイルスのパンデミックの歴史に学ぶ」

日本は今、コロナ感染拡大が止まらず、パンデミックの危機に直面しています。日本の1日の国内感染者数は最多を更新し続け、茨城県でも過去最多の55人になりました。世界の感染者数は80万人を超え、終息の見通しが立たず社会不安が高まる中、どのような行動をとるのが最善なのか、迷い戸惑っている人も大勢いる現状です。目に見えないコロナウイルスとの戦いの中で、東日本大震災の記憶が甦ります。津波といいウイルスといい自然界の猛威を目の当たりにして、私たちは言葉を失ってしまいます。しかし、大震災からもうすぐ10年が経ちますが被災地は復興の歩みを一歩一歩進めて来ました。百年に一回の割合で大津波に見舞われても幾度となく立ち直ってきた日本の歴史から、不屈の精神や知恵や教訓を学ぶことで、復興を実現してきました。津波より頻繁に発生し甚大な被害を及ぼすウイルスに、人類がどのように対峙してきたかは、歴史に克明に記されています。その歴史を知ることは、ウイルスが猛威を振るう中で、私たちが生き延びるためには、大いに役立ちます。また、感染に伴う「差別」などについても知ることができます。百年前、全世界で大流行した「スペイン風邪」の歴史は、今回のコロナウイルスの解決にとても参考になると言われています。「スペイン風邪」の波は3波あり1年で終わらなかったそうで、今回のコロナにも当てはまるとすれば、焦らず、気を緩めず、感染対策を怠らない事が、終息への近道かもしれません。ワクチンの完成ばかりに頼らずに、コロナ終息のために、私たちが役に立てることもいっぱい有りそうです。東日本大震災の復興をお手本にして、みんなで力を合わせてコロナ後の日本の再生を目指しましょう。

No.212令和2年11月号 「スポーツフェスティバルと新様式」

5日間に渡るスポーツフェスティバルは、どのクラスも無事に予定通り行うことができ、コロナ禍で初めて保護者参加行事が挙行できたことに、安堵と大きな喜びを感じています。認可保育園への移行と時を同じくして起こったコロナ感染拡大による非常事態に、不安を抱えながら新年度はスタートしました。通常の保育が行えない中、春の親子遠足と夕涼み会の二つの保護者参加行事も中止せざるを得ませんでした。このような経緯をたどる中、先生たちはせめて運動会は、何とか開催できないものかと、知恵を絞り、クラスごとのスポーツフェスティバルを考え出しました。初めての事なので試行錯誤を繰り返しましたが、最終的には例年と比べても遜色ない仕上がりとなりました。コロナ禍でも楽しい思い出を残してあげたいという先生たちの熱い気持ちが子供たちにも伝わり、子供達の意欲も気力も例年以上のものが有りました。勿論、例年の盛大な雰囲気は望めませんでしたが、「ゆっくり、じっくり子供の演技を見ることができて、こんな形もいいですね。」という声をたくさん頂きました。
「コロナ後の新様式」という言葉をよく耳にしますが、元のやり方に戻るのではなく、新しいやり方を作っていかなければならない時がきているとスポーツフェスティバルを経験して感じました。コロナが契機となり、社会の変化は加速すると言われています。子供達が生きる将来は、どんな社会になっているのでしょうか。加速する変化の中、保育現場も将来を見据えて、新しい保育を創り出して行く事が求められています。自然と共存して人間ひとりひとりが大切にされる格差のない平和な未来が、子供達を待っていますように!!

 

No.211令和2年10月号 「実りの秋がやって来た」

秋が、やっと、やって来ました。暑い長い夏でしたね。今年の夏、水戸で一番熱い日は、8月11日の37,6度でした。年々記録更新中なのかと思いきや、4年前の8月15日と3年前の7月5日に、38,4度という最高気温が記録されていました。「喉元過ぎれば熱さ(暑さ)を忘れる」今年以上の厚さを過去に経験していたことはすっかり忘れていました。とにもかくにも、暑さから解放されて、秋という季節をしばらく満喫しましょう!
 さて、熱中症にかかることもなく、この夏を乗り切った子供たちですが、ふと気が付くと、その成長に驚かされるこの頃です。離乳食が進み、ハイハイでどこにでも行ってしまう赤ちゃん達。「せんせい」とはっきり呼べるようになったMちゃんと、自分で靴が履けるようになったT君は1歳です。自分から「おはよう」と言えるようになった2歳のH君。集団遊びに参加できるようになった3歳のS君。「今日も全部食べたよ」と野菜が苦手だった4歳のE君。全員が小さい子のお世話がとても上手に出来る様になった年長さん。彩の国保育園の子供たちも、4月から一歩ずつ成長を重ね、実りの秋を迎えています。本年度は、コロナ感染症の流行で、保育にも様々な影響がありましたが、幸いなことに、園児も職員も保護者の皆様も、自粛や努力をしながら生活を維持し、保育を中断することなく、この季節を迎えることができたことは有難い事です。そして、形態はかわりましたが、例年通り秋の運動会を開催できる喜びを感じています。友達と競技をやる楽しさ、練習を重ねて出来るようになる喜び、お父さんお母さんに見てもらう幸せ感をいつもと変わらず味わえるようにと、先生たちも工夫を凝らしながら取り組んでいます。学年ごとのミニ運動会とはいえ、子供たちの意欲は例年と変わらないかそれ以上です。保護者の皆様にも、「コロナに負けるな!エイ、エイ、オー!」の気持ちを込めて、盛大な応援をお願い致します。

 

No.210令和2年9月号 「大内さんの戦争体験」

彩の国保育園で、長年に渡り読み聞かせをして下さっている大内節子さんは、子供たちからも「おおうちさん」と慕われている近所の方です。4度目の成人式を迎えましたが、若々しく、畑仕事に精を出したり、お琴や日本舞踊など趣味の傍ら、ボランティア活動にも精力的に取り組んでいらっしゃるスーパーおばあちゃんです。先月号でもお伝えしましたが、8月6日に毎年恒例の戦争の読み聞かせの催しを企画していましたが、満を持して大内さんご自身の戦争体験談を語って頂くことになっていました。ところが、コロナウイルス感染がまた増えて来てしまったので、やむなく中止せざるを得なくなってしまいました。そこで、私が取材に行き、大内さんの代わりに子供たちに話すことになりました。
大内さんご家族は、終戦を朝鮮で迎え、命からがら日本に引き上げてきて、終戦の翌年、父親の生まれ故郷の岩手県に、やっとのおもいでたどり着いたそうです。家族10人一人も欠けることなく、戦火を潜り抜け生きのびたことは奇跡に近いといえるでしょう。その時、大内さんは、小学校2年生でした。戦争は終わったものの、食べるものがなく、いつもお腹をすかしていたそうです。飢えをしのぐのに何を食べたと思いますか?大内一家の食材は、なんと雑草でした。何でもいいからそこらに生えている草を籠いっぱい採ってくるように言われて、弟を連れて毎日出かけたそうです。採ってくると、祖母と母親が食べられる草と食べられない草を選別して、塩ゆでにして、そのまま食べたとのこと。美味しかったのは、「ノカンゾウ」「ヤブカンゾウ」。食べると下痢をするのが「ギシギシ」。硬くて美味しくないのが、「クローバー」。その他「ハコベ」、「タンポポ」「コゴミ」…などなど。このような戦争体験談なら、子供でも、興味をもって話を聞き状況を思い浮かべることはできることでしょう。来年には、大内さん本人の口から語ってもらえるようになっていることを願いましょう!
最後に、もうひと話し。大内さんは、トマトにウスターソースをかけて食べるそうです。引き上げ途中、38度線を越えてアメリカ占領地の京城(現在のソウル)で出された、ソースがかかったトマトスライスが美味しかったこと、75年後の今も忘れられないそうです。その時の味が、未だかつて最高だそうです。試してみましたが、塩がいいかなートマトは・・

 

No.209令和2年8月号 「戦後75年目に出会った2冊の本」

新しい生活様式が少しずつ日常化してくる中、本屋に立ち寄る回数も減りましたが、文具を買いに行った時にたまたま本屋の店頭に置かれていた2冊の新刊が目に留まりました。
一冊は、村上春樹の「猫を棄てる 父親について語るとき」。
もう一冊は、昨年末アフガニスタンで凶弾に倒れた医師の中村哲の「天、共にあり アフガニスタン三十年の戦い」です。
今年の8月で戦後75年を迎える日本では、戦争体験者の高齢化が進み、戦争を語り継ぐ人が年々少なくなり、戦争の記憶が風化することを危惧する声が広がっています。確かに、戦後の平和教育は「戦争は二度としてはならない」という戦争体験者の訴えに支えられている部分が大きいので、戦争体験者がいなくなったらという心配は私自身も感じていました。
しかし、この2冊の本は、戦後世代と言われる私たち自身が、戦争について体験や思いを語る時が来ていることを示唆しているように思います。
上村春樹は、多くを語らなかった父の記憶をたどることで、中村医師は、アフガニスタンの現在進行形の戦争の渦中で、生と死を見つめてきた三十年の死闘の体験を語ることで、終わった戦争とまだ終わっていない戦争の悲惨さと平和の意味を私たちに問いかけています。2冊の本から心を打つ珠玉の一文をそれぞれ紹介します。
「父の回想は、軍刀で人の首がはねられる残忍な光景は、言うまでもなく幼い僕の心に強烈に焼き付けられることになった。ひとつの情景として、更に言うならひとつの疑似体験として。言い換えれば、父の心に長い間重くのしかかってきたものを―現代の用語を借りればトラウマを―息子である僕が部分的に継承したことになるだろう。人の心の繫がりというのはそういうものだし、また歴史というのはそういうものなのだ。その本質は〈引き継ぎ〉という行為、あるいは儀式の中にある。その内容がどのように不快な、目を背けたくなるようなことであれ、人はそれを自らの一部として引き受けなければならない。もしそうでなければ、歴史というものの意味がどこにあるだろう?」
「利害を超え、忍耐を重ね裏切られても裏切り返さない誠実さこそが、人々を動かすことができる。私たちにとって、平和とは理念ではなく現実の力なのだ。私たちはいとも簡単に戦争と平和を語りすぎる。武力行使によって守られるものとは何か、そしてほんとうにまもるべきものとは何か、静かに思いをいたすべきかと思われる。」
8月の読み聞かせでは、十数年にわたり彩の国の子供たちに読み聞かせをしてくれているボランティアの大内さんが初めてご自身の戦争体験を語ってくれることになりました。小学一年生の時に朝鮮半島から引き揚げてきた体験をお持ちの大内さんが、幼い子供たちにもわかるようにと、食べるものがなくて雑草を食べた体験談を語ってくれる予定です。これからの時代を生きる子供たちに、どんな困難が降り注いでも自力で生き抜いていく力を身に付けて欲しいと願わずにはいられない、大変な時代がそこまで来ていると感じさせらせる出来事が続いています。子供たちが自分の体験を語り継ぐ時が来るまで、私たち大人が頑張っていきましょう!

No.208令和2年7月号 「オープン保育の醍醐味」

本年度初めてのオープン保育が行われました。4月に入園した子供たちにとっては、初めての体験です。
新入園児の保護者の皆様にとっても、聞きなれない言葉かと思いますが、彩の国保育園のオープン保育とは、クラスの垣根を取り払い、大きい子と小さい子が一緒に同じ遊びをする保育を言います。
今回の遊びのテーマは「おままごと」です。各クラスでは、キッチンセットをはじめ、家庭を再現するためのダンボールで作った家具や備品、それに本物さながらのピザや、ドーナツなど食べ物も揃えて、先生たちのアイデア満載の力作セットの数々が、おままごとの雰囲気を盛り上げます。
あえて、各クラスの一番人気を挙げるなら、そら・たいよう組はピザ窯、にじ組は段ボール押し入れ、よつば組は、画面が変わる大型テレビ、もも・たんぽぽ組は本物そっくりなお寿司と海苔巻きです。
0歳~6歳のこどもたちが、4グループに分かれ1クラスを1家族とみなして、お父さん、お母さん、お兄ちゃん、お姉ちゃん、赤ちゃんなどの役になって、思い思いに好きな遊びをやります。同年齢の子ども達との遊びの中では、見られない光景があちこちで見られました。
大きい子たちが先導する遊びの中で、小さい子たちは、見様見真似で大きい子と一緒に遊ぶことで、刺激を受けたり、遊んでもらう楽しさを味わいます。
逆に、大きい子も、小さい子との関わりの中で、お世話をしたり教えてあげたりすることで、お兄さん、お姉さん意識を高めることができます。人としての成長には欠かせない大事なことを、異年齢保育の中で子ども同士で学び合います。それが、オープン保育の醍醐味です。
 オープン保育は今年で4年目になりますが、回を重ねる中で子供たちの遊びにも変化が現れてきました。今回感心したのは、子ども同士の会話が活発に行われていたことと、自らの発想で遊びを発展させていたことです。例えば、よつば組のYちゃんは「熱がでちゃった」と言ってベッドに寝たり、たいよう組のY君はピザ窯に「火をつけよう」などと遊びを作り出していました。 今回のオープン保育を皮切りに、これからは、毎週木曜日は、オープン保育の日(月3日)です。今年は、どんな遊びが展開されるのでしょうか。仕掛ける先生たちもワクワクしています。乞う、ご期待!!

No.207令和2年6月号 「牛乳パックのリサイクル」

先月この紙面で、給食風景を紹介しましたが、子供達は、給食時には、ほとんど毎日、牛乳を飲んでいます。成長期に欠かせない栄養素が満遍なく入っている牛乳は、給食の定番メニューです。牛乳が苦手な子も数名はいますが、大概は「おいしい!」と言ってごくごく飲んでいます。
今回は、牛乳そのものではなく、牛乳パックの話です。毎日山のように牛乳パックがゴミとして出るので、水戸市が4月からゴミの分別を徹底して資源ゴミ回収を推進していることを受け、保育園でもリサイクルに取り組むことにしました。そのまま捨ててしまえば、ただのゴミとして、焼却されて、地球温暖化を促進するCO2を排出します。リサイクルすることで、消エネ、CO2削減、ひいては、環境保全につながり、地球の自然を守ることになります。子供たちにリサイクルの方法やその意義を知ってもらう良い機会でもあるので、「洗って、開いて、乾かして」の作業をやってみようということになりました。調理室で、牛乳パックを洗って乾かしてもらい、年長さんが、ハサミで切り開きます。固い牛乳パックを切るには、指の力が必要なので、ハサミを使うスキルがどんどん上達して、今ではあっという間に切り終わってしまうとのこと。牛乳パックのリサイクルで、トイレットペーパーやテッシュペーパーが再生されます。1ℓ牛乳パック6個で、トイレットペーパーが1個作れるうえに、140gのCO2が削減できるのですから一石二鳥です。リサイクルに興味のある方がいらっしゃいましたら、子供たちのリサイクル活動に、どうかご協力お願いします!
ところで、コロナの感染拡大は牛乳消費にも影響を及ぼしています。臨時休校や飲食店の営業自粛で消費が5割も落ち込み、牛乳生産最盛期の6月をひかえ、廃棄しなければならない現状だそうです。農林省はそんな牛乳業界を救うために、「毎日牛乳をもう(モー)1杯、育ち盛りはもう(モー)1パック」のキャッチフレーズで「プラスワンプロジェクト」を立ち上げたそうです。私達も、もう1杯、育ち盛りはもう1パック飲んで、協力しましょう。もちろん飲んだ後はリサイクルもお願いしますね‼

 

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