保育雑感

No229令和4年4月号「令和4年度にむけて」

シンボルツリーの「ライラック」が卒園式の日に園庭に植えられました。卒園児の親子が金のシャベルで土をかけ、フラワーシャワーで植樹を祝いました。ライラックは4~5月に紫色の花を咲かせます。香りがよく、香水の原料ともされます。花言葉は「友情」「思い出」「大切な友達」です。もう一本「カツラの木」も植えましたが、春にはみずみずしいハート型の新緑と小さな花が楽しめ、秋には鮮やかな紅葉が美しい木です。「のびろ のびろ 天まで のびろ」という彩の国保育園のモットーにちなんで、子ども達も樹木のように天に向かって真っすぐ伸びるようにと言う願いを込めて植樹しました。
その他に、新年度に新しくお目見えするのは、iPadQRコードにより登降園の時刻を打刻するシステムの導入です。昨年度から導入したコドモンも含めてICT(情報通信技術)化が進んでいますが、便利とはいえまだまだ使い慣れない方もいらっしゃると思います。カタカナとアルファベット文字が溢れてMYC(んなっゃう)ですよね。そんな時は、園庭に植えられた樹木を見ると癒されますよ・・・
 

№163.平成28年10月号

 No.163平成28年10月号  「桃の木の教え」                   
 今年の夏は、大型の台風が軒並み日本列島にやってきて、大雨と大風による被害が続出しています。8月に関東に上陸した台風9の暴風で保育園の桃の木が危うく根こそぎ倒れてしまうところでした。根が半分持ち上がって露出し、5、60度傾き、木の天辺が横を向いていました。傾いて初めて、幹の太さや高さに比べて、頭でっかちだったことが分かりました。「早く大きくなれ」とばかりに、枝も葉も伸び放題にしていたのが、災いしました。その上、地面が踏み固められて、根が息を出来ず、地中に根が伸びて行けない環境だったのも、強風にちこ
たえられなかった原因の一つでした。
  春には、明るいピンク色の花が咲き誇り、夏にはこんもり繁って暑い日差しを遮る木陰を作り、秋には、おままごとに使う落ち葉をいっぱい落として、四季を通じて、たった一本で彩の国保育園に彩りを与えてくれる、シンボルとも言える桃の木です。
 手入れを怠ったことを反省しながら、何とか枯れないで欲しいと、毎日様子を見ながら祈っていました。先日、きみどり色の新しい葉が出てきているのを見つけて、ホッと一安心。瀕死の重症を負った木を心配する気持ちは、幼子が病気になった時、早く治って元気になって欲しいと心配する親の気持ちに通ずるものがあり、木に宿った生命も、人と同じ様に愛おしく感じられました。目には見えない根っこを育てることが木にとって大切ならば、人に於いても、また然り。枝や葉を剪定して、根や幹にあった大きさに育てることが木にとって大切ならば、人に於いても、また然り。「もっと伸びろ、早く大きくなれ!」と成長を()いてはいけないと、桃の木が教えてくれました。

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